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2026年最新|決算後の役員報酬はいつ変更できる?一人社長向け改定スケジュールと注意点

#一人社長 #定期同額給与 #役員報酬 #決算

法人化して事業が軌道に乗ってくると、「役員報酬はいつ、どうやって変更すればいいんだろう?」という疑問が出てきますよね。

特に一人社長や小規模法人の方は、相談できる相手が少なく、不安に感じることも多いのではないでしょうか。

実は、役員報酬を会社の経費(損金)にするには、報酬を変更する時期などについて税務上の要件があります。

タイミングを間違えると、せっかく支払った報酬が会社の経費として認められず、余計な税金を支払うことになってしまう可能性があります。

【結論】 役員報酬は「事業年度開始から3か月以内」に金額を決定し、改定後の各支給時期に同じ額を支給し続けるのが原則です。

この期間を過ぎて変更する場合は、「臨時改定事由」や減額に限る「業績悪化改定事由」などの理由が必要になります。

この記事は法人(株式会社など)の役員報酬に関するものです。

個人事業主の方には役員報酬という概念はなく、事業主が生活費などを引き出す「事業主貸」は経費にはなりませんのでご注意くださいね。

この記事では、一人社長や小規模法人経営者の方に向けて、以下の点を分かりやすく解説します。

  • なぜ役員報酬の変更タイミングは厳格なのか
  • 役員報酬を変更できる原則的なタイミングと例外
  • 【決算月別】具体的な報酬改定スケジュール
  • 一人社長がやるべき3つの手続きステップ
  • 役員賞与(ボーナス)の注意点

この記事を読めば、役員報酬変更の正しい知識が身につき、安心して手続きを進められるようになります。

なぜ役員報酬の変更タイミングは厳格なのか?

役員報酬の変更ルールが厳しい理由は、会社の利益操作を防ぐためです。

もし、決算直前に「今期は思ったより会社の利益が出たから、役員報酬を増やして会社の利益を減らそう」ということが自由にできてしまうと、法人税を不当に安くすることが可能になってしまいます。

そこで、税金のルールでは「1か月以下の一定期間ごとに同額を支払う給与(=定期同額給与)」など、所定の類型に該当する役員給与が会社の経費(損金)の対象となります。

事前確定届出給与なども別の類型であり、定期同額給与でも不相当に高額な部分は損金になりません。

参考: 国税庁 No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

この「毎月同額」というルールを守るために、報酬額を変更できるタイミングが厳しく制限されているのですね。

役員報酬を変更できる原則的なタイミングと例外

役員報酬の金額を変更できるのは、原則として「事業年度開始の日から3か月以内」です。

例えば、3月決算の会社(事業年度が4月1日〜翌年3月31日)であれば、4月1日から3か月後の6月30日までに報酬改定を行い、改定前後それぞれの支給額を同額に保ちます。

この期間内であれば、新しい事業年度の利益予測に基づいて、役員報酬を増額したり減額したりできます。

大切なのは、この期間内に新しい報酬額を決定し、改定後の各支給時期に同じ額を支給し続けることです。

決めた報酬額を事業年度の途中で変えたり、さかのぼって変更したりする場合の扱いは、決議の内容や支給の状況によって異なります。

該当しそうな場合は、事前に税理士に確認してください。

期首3か月を過ぎても変えられるケース(臨時改定・業績悪化改定)

原則として事業年度開始から3か月以内とされていますが、例外的に、期首3か月を過ぎてから役員報酬を変更しても会社の経費として認められる場合があります。

役職・職務の重大な変更などは「臨時改定事由」、著しい経営悪化による減額は「業績悪化改定事由」と区別します。

具体的には、以下のような特別な事情があった場合です。

  • 役職の変更や職務内容の重大な変更があった場合
    • 例:代表取締役から平取締役に降格した、あるいは兼務役員から専任役員になったなど、役員の責任や業務内容が大きく変わった場合。
    • 証拠として、辞令や取締役会議事録などを残しておきましょう。
  • 会社の経営状況が著しく悪化した場合
    • 例:倒産の危機に瀕している、債務超過に陥ったなど、客観的に見て役員報酬を減額せざるを得ない状況になった場合。
    • 証拠として、経営会議の議事録や財務諸表、経済情勢を示す資料などを残しておくことが重要です。

これらの例外に該当するかどうかの判断は、個別の事情によって異なります。

一時的な資金繰りの都合や、単に業績目標に達しなかったことは、業績悪化改定事由には含まれません。

判断に迷う場合は、必ず税理士さんに相談してくださいね。

【決算月別】役員報酬の改定スケジュール

ご自身の会社の決算月に合わせて、いつまでに報酬改定をすれば良いか確認してみましょう。

決算月 事業年度 報酬改定の期限
3月決算 4月1日~3月31日 6月30日まで
4月決算 5月1日~4月30日 7月31日まで
5月決算 6月1日~5月31日 8月31日まで
6月決算 7月1日~6月30日 9月30日まで
7月決算 8月1日~7月31日 10月31日まで
8月決算 9月1日~8月31日 11月30日まで
9月決算 10月1日~9月30日 12月31日まで
10月決算 11月1日~10月31日 1月31日まで
11月決算 12月1日~11月30日 2月末日まで
12月決算 1月1日~12月31日 3月31日まで
1月決算 2月1日~1月31日 4月30日まで
2月決算 3月1日~翌年2月末日 5月31日まで

注:2月末日は閏年の場合2月29日となります。

表は、月末決算・翌月1日期首の通常の会計期間における、報酬改定の原則的な期限を示しています。

10月・11月決算の期限は翌年です。

税務署長の指定や、毎年所定時期の改定が遅れる特別の事情などによる例外もあります。

よく「決算日から2か月以内に株主総会を開いて、その決定から1か月以内に改定手続きを」という話を聞くかもしれませんが、これは税務上の「定期同額給与」のルールとは少し異なります。

定時株主総会は会社法上「毎事業年度終了後の一定の時期」に開催されるものですが、税務上の役員報酬の改定期限はあくまで「事業年度開始の日から3か月以内」です。

法人税の申告期限(原則として決算日から2か月以内)と混同しないように注意しましょう。

一人社長向け!役員報酬の変更手続き 3ステップ

「株主総会って、一人しかいないのにどうやるの?」と疑問に思いますよね。

大丈夫です。

一人社長の場合、手続きはとてもシンプルです。

以下の3ステップで進めましょう。

ステップ1: 役員報酬額を決定する

この3ステップでは、自分自身が唯一の株主であり、取締役でもある株式会社を想定します。

一人社長でも株主が複数いる場合や、株式会社以外の法人では、その会社に応じた手続きを確認してください。

株式会社の取締役の報酬額は、定款に定めがなければ株主総会の決議で定めます。

一人株主でも、決議を行う場合は議事録を作成します。

会議を省略する場合は、取締役または株主の提案に、その事項について議決権を行使できる株主全員が書面または電磁的記録で同意する決議省略の手続きを行います。

大切なのは、「いつ、何を決めたか」を客観的な証拠として残しておくことです。

そのために、次のステップが重要になります。

ステップ2: 「株主総会議事録」を作成・保管する

役員報酬の決定内容を「株主総会議事録」という書類にして残しておきましょう。

これは、税務調査などで「いつ、どのように役員報酬を決定したか」を証明するための非常に重要な証拠となります。

取締役会で個人別報酬を決める場合は、定款または株主総会の決議による報酬枠・委任を確認し、取締役会議事録も作成してくださいね。

難しく考える必要はありません。

以下は実際に株主総会を開催する場合の記載例です。

開催日時・場所、議事の経過と結果、出席した取締役等、議長がいる場合はその氏名、議事録作成に係る職務を行った取締役の氏名など、会社法施行規則第72条の必要事項を確認してください。

決議省略の場合は、決議があったとみなされた事項の内容、提案者の氏名または名称、みなし決議日、議事録作成に係る職務を行った取締役の氏名を記載する別の議事録が必要です。

  • 開催日時: 2026年5月25日 午前10時00分
  • 開催場所: 本店所在地
  • 出席者: 株主兼取締役 〇〇 〇〇
  • 決議事項: 第〇期の役員報酬について
  • 議事の概要:
    • 議長より、第〇期(2026年4月1日~2027年3月31日)の役員報酬を月額〇〇円としたい旨の提案があり、満場一致で可決承認された。
  • 効力発生日(支給開始月): 2026年6月1日(6月支給分から適用)
  • 日付と署名: 2026年5月25日 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇 〇〇

議事録は株主総会の日から10年間、本店に備え置きます。

支店がある場合は原則として写しを5年間備え置きます。

決議省略の同意書面または電磁的記録も、みなし決議日から10年間、本店に備え置いてください。

ステップ3: 社会保険の手続きを行う(必要な場合)

役員報酬を大幅に変更した場合、社会保険料の金額も変わるため、年金事務所への届出(被保険者報酬月額変更届)が必要になることがあります。

これを「随時改定」と呼び、原則として以下の3つの条件をすべて満たす場合に手続きが必要です。

  1. 昇給や降給などで、役員報酬の月額などの固定的賃金に変動があった
  2. 変更後の固定的賃金を初めて支払った月から続く3か月間の報酬(非固定的賃金も含む)の平均額を等級表に当てはめて算出した標準報酬月額と、従前の標準報酬月額に2等級以上の差が生じた
  3. 3か月とも、給与の支払基礎日数が17日以上ある(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上)。支払基礎日数は給与計算の対象日数で、月給制では暦日数が基本です

標準報酬月額の上限・下限にわたる一定の変更では、1等級差でも対象となります。

また、固定的賃金が上がったのに非固定的賃金の減少で標準報酬月額が下がる場合など、増減の方向が逆の場合は対象になりません。

具体的な判定は日本年金機構の案内で確認してください。

随時改定の要件を満たした場合、変更後の固定的賃金を初めて支払った月から4か月目の標準報酬月額から改定され、社会保険料が変わります。

例えば、変更後の固定的賃金を5月に初めて支払い、5月・6月・7月の報酬平均額から算出した標準報酬月額と従前の標準報酬月額に2等級以上の差があり、支払基礎日数や増減方向などの要件も満たす場合、8月分から新しい社会保険料が適用されます。

翌月徴収の会社では9月支給の給与から控除するイメージです。

社会保険料は会社と個人の両方にとって結構大きな負担です。

報酬額を変更する際は、社会保険料がどのくらい変わるのかも事前にシミュレーションしておくことが大切です。

参考: 日本年金機構 随時改定(月額変更届)

役員賞与(ボーナス)を支給したい場合の注意点

「役員報酬とは別に、ボーナスも出したいな」と思うこともあるかもしれませんね。

役員賞与(ボーナス)を会社の経費として認めてもらうには、原則として「事前確定届出給与」という特別な手続きが必要です。

これは、役員賞与の支給時期・金額などを原則として期限内に税務署へ届け出て、定めた支給時期・確定額どおりに支給する制度です。

不相当に高額な部分は、届出をしても損金になりません。

届出期限は原則として決議日(職務開始日が先ならその日)から1か月と、会計期間開始から4か月のいずれか早い日です。

新設法人が設立時に開始する役員の職務について定めた場合は、原則として設立日以後2か月を経過する日が届出期限です。

税務署長の指定や臨時改定事由などによる期限の特例もあるため、該当する場合は国税庁の案内で確認してください。

この届出なしに役員賞与を支払ってしまうと、原則として会社の経費として認められず、法人税の負担が増えてしまうので注意しましょう。

期首3か月チェックリスト

役員報酬の改定をスムーズに進めるために、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 新しい事業年度の開始日はいつですか?
  • 報酬改定の期限(事業年度開始から3か月以内)はいつまでですか?
  • 新しい役員報酬額は決定しましたか?
  • 株主総会議事録(または取締役会議事録)は作成しましたか?
  • 議事録には「効力発生日(支給開始月)」を明記しましたか?
  • 報酬改定の決議は原則として期首3か月以内に行い、改定後の支給開始時期を明確にしましたか? 新しい報酬額の支給開始が必ず期首3か月以内である必要はありませんが、決議と支給開始の関係、改定前後それぞれの同額支給を確認しましょう。
  • 社会保険の随時改定が必要かどうか確認しましたか?
  • 必要な場合、年金事務所への「被保険者報酬月額変更届」は速やかに提出しましたか?

タイミングの次は「金額」をシミュレーションしましょう

役員報酬を変更する正しいタイミングと手続きはご理解いただけたでしょうか。

次に重要になるのが、「いくらに変更するのが一番得なのか?」という点です。

役員報酬の金額によって、社会保険料、所得税、法人税の総額は大きく変わります。

このバランスを考えるのが、結構難しいんですよね。

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まとめ:正しいタイミングで手続きを

役員報酬の変更は、会社の節税や個人の手取り額に直結する重要な手続きです。

  • 変更期限: 原則として事業年度開始から3か月以内に改定し、改定前後それぞれ同額を支給
  • 例外: 役職変更などの臨時改定事由や、減額に限る業績悪化改定事由があれば、期中変更も可能
  • 必要なこと: 株主総会議事録(または取締役会議事録)の作成と保管
  • 注意点: 社会保険料の変更手続きも忘れずに。役員賞与は原則として事前確定届出給与の届出と、定めた支給時期・確定額どおりの支給が必要

正しいタイミングと手順を守ることで、税務上のリスクを下げ、安心して経営に集中しやすくなります。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については顧問税理士にご相談ください。

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